3rd Party Cookieは廃止される?規制の影響と今後の動向を解説

3rd partyデータデータ管理・活用 2020.12.28
3rd Party Cookieは廃止される?規制の影響と今後の動向を解説

インターネット上における効果測定や広告の最適化に使われてきた3rd Party Cookieが、近い将来、規制・廃止されることをご存知でしょうか。Google社は「2022年までに3rd Party Cookieのサポートを停止する」と公表しており、Apple社はすでに自社ブラウザで3rd Party Cookieを完全にブロックしています。

これにより、インターネットを活用してビジネスに取り組んでいる事業者は、どのような影響を受けるのでしょうか? ここでは、3rd Party Cookieの規制がもたらす影響と、今後の動向についてご説明します。

1. Cookie(クッキー)の概要・役割

Webサイトに訪問したインターネットユーザーの情報を一時的に保存する技術、もしくは保存した情報そのものをCookieと呼びます。Cookieの役割は大きく2つに分けられ、以下のような場面で活用されてきました。

  • インターネットユーザーの情報を保持し、次回以降の情報入力を省略する
  • インターネットユーザーの情報をもとに、ユーザーに適した広告を配信する

前者は、一度ログインしたWebサイトのログイン情報が保持されていたり、通販サイトのカート内情報が保持されていたりといったケースが該当します。こちらは、主に1st Party Cookieと呼ばれるCookieによる働きです。

一方、どのWebサイトを開いても同じ広告が出たり、自身の年齢・性別にマッチした広告ばかりが表示されたりといった現象は、3rd Party Cookieと呼ばれるCookieが関係しています。このうち、規制対象として利活用が制限され始めているCookieが、後者の3rd Party Cookieです。

2. 3rd Party Cookieは規制・廃止の流れへ

これまで、インターネット広告の配信を最適化するために活用されてきた3rd Party Cookie。規制・廃止の流れに向かいつつあるのはなぜなのでしょうか。

2.1 Cookieはなぜ規制されるのか

Cookieは、収集した情報を活かしてインターネットユーザーにも企業にも良い効果をもたらす反面、インターネットユーザーの行動を追跡・監視するといったプライバシー面の課題を抱えていました。そのため、プライバシー保護の名目でCookieの規制が進められています。

すでに海外では、法律によってCookieの取り扱いに厳しい規制を設けている地域もあり、今後は世界レベルでCookie規制が標準となるものと予想されます。

2.2 Apple社やGoogle社など規制を公表する企業が続々

iPhoneやMacなどの機器に標準搭載されているWebブラウザ「Safari」は、ITPと呼ばれる技術によって3rd Party Cookieを完全にブロックする仕様となりました。過去数度の段階的なアップデートによって、Cookieやそれに類する機能を持った技術をプライバシー保護の観点から規制してきています。

また、Google社が提供している世界トップシェアのWebブラウザ「Google Chrome」は、2022年を目途に3rd Party Cookieのサポートを終了すると公表しています。

このほか「Edge」を提供するMicrosoft社や、「Firefox」を提供するMozilla Foundation社など、シェアの多いWebブラウザの提供元もそれぞれCookie規制の流れを進めています。こうした流れから、近い将来3rd Party Cookieは完全に廃止されることになると考えられます。

なお、WebブラウザにおけるCookie規制の流れを作ったITPについての情報は、以下記事で解説しています。あわせてご参照ください。

>>ITPでWeb広告はどう変わる?Cookie規制による影響とは

3. Cookie規制により生じる企業にとっての弊害とは

Cookie規制の進行により3rd Party Cookieが廃止されることで、事業者が運営するメディアの収益は大幅に低下すると予想されています。Googleのレポートによれば、3rd Party Cookieの無効化によってメディアの収益は50%以上失われる可能性があるとのことです。

これまでのインターネット広告は、広告運用の効果を3rd Party Cookieを通じて獲得したユーザーのデータに頼っていました。3rd Party Cookieの活用によってポジティブな反応が期待できるユーザーに広告を出稿し、自社サイトへ効率的に見込み客を誘導していたのです。

しかし、3rd Party Cookieが廃止されれば効率的な広告配信は難しくなり、従来のコストで同等の広告効果を得ることは困難となります。そのため、インターネット広告を使って集客・商品販売を行っている企業にとってCookie規制による弊害は非常に大きなものになると予想されます。

4. 3rd Party Cookieから新システムへの移行

Cookieを規制する法律の整備、Webブラウザにおける3rd Party Cookie規制の流れによって、Cookieに代わる新たな仕組みの開発が進められつつあります。その先頭を走る企業の一つがGoogle社です。

Google社は、インターネットユーザーのプライバシー保護を強化しつつ広告配信の最適化を目指すため「プライバシーサンドボックス」と呼ばれるプロジェクトを進めてきました。2020年10月時点では「Dovekey」と呼ばれる構想がプライバシーサンドボックス関連の提案としてもっとも新しく、同提案がインターネットユーザーから信頼を得られるものとなるか注目が集まっています。

Google社以外にもCookieに代わる仕組みの開発に力を入れている企業は多く、近い将来に生まれるであろう代替技術に注目が集まります。

参考:DIGIDAY「【一問一答】「 Dovekey 」とは?:Googleが提唱する サードパティcookie活用、最新の代替案」

5. まとめ

Cookie規制の流れはもはや止まることはないでしょう。特に、サイトをまたいでインターネットユーザーの個人的なデータをやり取りする3rd Party Cookieの活用には、さらに厳しい制約が課せられていくものと考えられます。

3rd Party Cookieを活用する企業は、代替案の登場をいち早くキャッチできるようWeb業界の動向に注目し、ビジネスの継続への影響を最小限に届ける努力が必要となります。