Google広告の拡張コンバージョンとは?初心者でもわかる基本と活用法

※本記事は2024年5月時点の情報に基づき執筆されたものです。
近年プライバシー保護の潮流が高まり、Web広告においても「Cookieレス」や「Cookie規制」と呼ばれるような規制の傾向が強まりつつあります。そのような状況の中、Google広告から発表された新機能「拡張コンバージョン」に注目が集まっています。本記事では、拡張コンバージョンの基本から設定方法までまとめてご紹介します。
1.拡張コンバージョンとは
拡張コンバージョンとは、自社サイトで取得したデータをハッシュ化してGoogleに送信し、従来のコンバージョンタグによる計測を補足する技術のことです。拡張コンバージョンを導入することで、より正確にコンバージョン測定を行うことができます。
Google広告ヘルプページでは、拡張コンバージョンについて以下のように説明されています。
拡張コンバージョンは、より正確なコンバージョン測定と高度な入札単価設定を可能にする機能です。この機能は既存のコンバージョン タグを補完するもので、自社のウェブサイトで取得したファースト パーティのコンバージョン データをハッシュ化し、プライバシーに配慮した方法で Google に送信します。
引用元:「拡張コンバージョンについて」
2.拡張コンバージョンの仕組み
ここからは、従来のコンバージョン計測と新機能である拡張コンバージョンとの違いについてご紹介します。
2-1.従来のコンバージョン計測の仕組み
従来のコンバージョン計測は、Cookieの仕組みを利用していました。Cookieとは、Webサイトからユーザーのブラウザに対し発行されるテキストデータおよびその仕組みのことを指します。従来は、このCookieによってユーザーが訪れたサイトや入力した情報などがブラウザに記録されており、そのデータをもとにコンバージョン計測が行われていました。しかし、近年はCookieの規制が強まってきており、これまで通りに計測できなくなってきました。
2-2.新しい拡張コンバージョンの仕組み
新しく発表された拡張コンバージョンの機能では、Cookieではなく、企業が取得した顧客情報を利用しています。一般的にユーザーがサイトでコンバージョンをする際は、顧客情報(メールアドレス、氏名、住所等)を入力しているかと思います。拡張コンバージョンでは、この顧客情報をハッシュ化してGoogleに送信し、GoogleはそのデータをGoogleアカウントの情報と照らし合わせることで、正確なコンバージョン計測を行う仕組みになっています。
ただし、拡張コンバージョンはあくまで補完機能であり、コンバージョンしたユーザーと広告をクリックしたユーザーが一致しているかという判断を手助けするものです。そのため、すべてを正確に計測できるわけではないという点は頭においておきましょう。
3.拡張コンバージョンができた背景
さきほども少し触れましたが、拡張コンバージョンができた背景にはCookie規制が関係しています。CookieはユーザーのWeb利用を便利なものにする一方、プライバシー保護の観点からその活用を問題視する声もあがってきています。実際、ヨーロッパのEU一般データ保護規則(GDPR)やアメリカのカリフォルニア州プライバシー権法(CPRA)、日本では改正個人情報保護法、改正電気通信事業法などのプライバシー関連法によりCookie規制が進んできています。Google社に関しては、3rd Party Cookieの完全廃止は撤回されましたが、プライバシー保護の重要性は変わらず、ユーザー自身がCookie利用を制限できる仕組みが標準化されつつあります。そのため、Cookieに依存しない計測手法(拡張コンバージョン)の重要性はむしろ増しています。
このような動向により、Cookieを使った従来のコンバージョン計測にも影響が出るため、その補完機能として拡張コンバージョンが開発されました。
4.拡張コンバージョンのメリット
拡張コンバージョン導入のメリットは、Google広告のヘルプページにて以下のように説明されています。
・本来なら測定できなかったコンバージョンを正確に把握回復する
・より優れたデータで入札単価の最適化を改善する
・ファースト パーティの顧客データをハッシュ化することでプライバシーを保護する引用元:「拡張コンバージョンについて」
4-1.本来なら測定できなかったコンバージョンを正確に把握する
まず、拡張コンバージョンを導入することにより、Cookie規制の影響などで、Google広告上では計測できなかったコンバージョンを正確に把握することができます。
従来のコンバージョン計測では、Cookieの保存期間が短くなったり、そもそもCookieが発行されなかったりする場合、広告をクリックしたユーザーが後日コンバージョンに至っても、それが「どの広告クリック経由のコンバージョンか」を判別できませんでした。
このような課題に対し、拡張コンバージョンは、広告クリック時のGoogleアカウント情報と、コンバージョン時に入力された顧客情報(メールアドレスなど)をハッシュ化して照合することで、Cookieに依存せず、特に日時の経過によりCookieが消えてしまった後のコンバージョンでも、広告との紐付け精度を大幅に向上させ、本来見えなかったコンバージョンを正確に把握することが可能です。
4-2.より優れたデータで入札単価の最適化を改善する
2つ目に、より正確なデータをもとに入札単価の最適化を図ることができます。従来の仕組みでは計測漏れしていたコンバージョン情報を正確に取得することで、より精度高く入札単価の最適化に活かすことができます。
4-3.ファースト パーティの顧客データをハッシュ化することでプライバシーを保護する
3つ目に、ユーザーのプライバシーを保護しながらコンバージョン計測を行うことができます。従来のCookieベースの計測と比べ、拡張コンバージョンがプライバシー保護に優れている主な理由は以下の通りです。
- ハッシュ化による匿名化:メールアドレスなどの個人を特定できる情報(PII)は、Googleに送信される前に不可逆性の高いハッシュ化によって暗号化されます。これにより、万が一データが漏洩しても元の情報を容易に復元できず、従来のCookie IDと比較してプライバシーが保護されます。
- 追跡範囲の限定:ハッシュ化されたデータは、広告主のサイト内でのコンバージョンと広告クリックを「紐付ける」ことのみに利用され、複数のWebサイトを横断的に追跡するクロスサイトトラッキングには利用されません。
- 1st Party Dataの活用:拡張コンバージョンは、ユーザーが広告主(自社サイト)に直接提供し、同意を得た1st Party Dataを基にしているため、第三者が無断で利用する可能性のあるCookieよりも透明性が高く、プライバシーに配慮した計測方法と言えます。
5.拡張コンバージョンのデメリット
5-1.導入までに時間がかかる
拡張コンバージョンの設定方法について説明する記事などは複数出ていますが、正直なところわかりづらいです。マーケティング担当のみで設定が完了するのが理想ですが、どうしても技術的な側面もあるため、社内エンジニアへの確認が必要になったり、場合によっては外注先の確保が必要になってきたりします。そのため導入までに時間がかかってしまうことがデメリットと言えます。
拡張コンバージョンの機能は、自社の顧客情報をハッシュ化し、Google広告のクリック時に紐づけられたGoogleアカウントの情報と照合することで成り立っています。
そのため、そもそもGoogleアカウントにログインしていない人がGoogle広告をクリックした場合は、照合に必要な情報が広告クリックに紐づけられません。結果として、その後のコンバージョンを正確に計測することはできず、拡張コンバージョンの恩恵を受けられない点には留意しておきましょう。
6.拡張コンバージョン導入の際の注意点
拡張コンバージョンを利用する際、自社で取得したメールアドレス等の顧客データを広告プラットフォーム(Google)へ送信することは、法律上の「個人データの第三者提供」に該当する可能性があります 。その場合、個人情報保護法や電気通信事業法の外部送信規律に基づき、ユーザーに対して「どのようなデータを、誰に、何の目的で送るのか」を明示し、必要に応じて同意を得る・公表事項を整備することが求められます。また、Googleは、外国企業であるため、個人情報保護法の外国にある第三者への提供規制についての対応も必要です。
適切なプロセスを経ずにデータを送信すると、ブランドイメージの低下や法令違反のリスクが生じるため、注意しましょう。
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7.拡張コンバージョンの設定方法
拡張コンバージョンの設定方法については、Google広告のヘルプページにて以下3つがあると説明されています。
拡張コンバージョン(ウェブ向け)は次の 3 つの方法で設定できます。
Step 1Google タグ マネージャー: 現在コンバージョン トラッキングに Google タグ マネージャーを使用している場合は、設定を少し変更するだけで、Google タグ マネージャーを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定できます。
Step 2Google タグ: 現在 Google タグを使ってコンバージョン トラッキングを(サードパーティ ツールまたは iFrame 内にではなく)ページに直接実装している場合は、設定を少し変更するだけで、Google タグを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定できます。
Step 3Google Ads API: データをより柔軟かつ詳細に管理するために拡張コンバージョン データを API 経由で提供したい場合は、Google Ads API を使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定できます。
引用元:「拡張コンバージョンについて」
おすすめはGoogleタグマネージャー(GTM)で設定を行う方法です。特に、すでにGTMを利用している企業であれば比較的簡単に設定を行うことができますし、利用していない企業であっても他の設定方法に比べればGTMを導入してしまう方が手早い可能性があります。Googleタグマネージャーで設定する場合は、「自動収集」「コード」「手動設定」のさらに3種類の設定方法がありますので、詳しくはGoogle広告公式の以下のページをご参照ください。
引用元:「Google タグ マネージャーを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定する」
8.拡張コンバージョン設定の事前準備
3つの設定方法いずれを取り入れる場合も、Google広告の管理画面から拡張コンバージョンの機能をONにする事前設定が必要です。その設定手順は以下の通りです。
まず、Google広告にログインし、左側のツールバーから「目標>設定>拡張コンバージョン」をクリックします。
そして、「拡張コンバージョンをオンにします」にチェックを入れます。
するとプルダウンが出現し、拡張コンバージョンの設定方法を選択できるようになります。お好みの設定方法を選択して事前準備は完了です。
9.まとめ
本記事では、拡張コンバージョンの基本情報から設定方法までご説明しました。未導入の企業様は、お早めに拡張コンバージョンの導入検討をおすすめします。
拡張コンバージョンは、Cookie規制下での広告成果を最大化するために不可欠な機能です。しかし、導入には高度なタグ設定が必要なだけでなく、顧客データの取り扱いに関する法的な配慮が欠かせません。
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