個人情報保護士とは?情報管理の資格が企業にもたらすメリット

データ管理・活用 2021.01.26
個人情報保護士とは?情報管理の資格が企業にもたらすメリット

個人情報保護の専門家として注目されつつある「個人情報保護士」。昨今の急激な個人情報保護の流れに対応できる貴重な人材であり、速やかに自社へ確保することで、競合他社に対して大きなアドバンテージを得ることができます。

ここでは、個人情報保護士の概要や主な関連資格、企業における役割と価値についてご説明します。

1. 個人情報保護士とは?

個人情報保護士は、個人情報保護に関する高度な知識を持ち、実務において個人情報の運用・管理を適切におこなう専門家です。一般財団法人「全日本情報学習振興協会」が主催する「個人情報保護士認定試験」の合格者が、個人情報保護士として認定されます。

2005年4月に個人情報保護法が施行されたことを受け、同年10月に第1回試験がおこなわれました。以後、「個人情報を取り扱える人材の確保」を急務とする企業ニーズにより年4回開催され、現在60,000人以上が個人情報保護士として認定されています。

個人情報保護士の有用性は取得者・企業の双方から評価されており、2013年には日本経済新聞と日経キャリアマガジンが調査した「取得している資格の満足度ランキング」では2位に輝きました。

パナソニック株式会社や日立ソリューションズグループなどの大手企業も、積極的に社員へ取得させているようです。日立ソリューションズグループは、全社員およそ15,000人のうち800人超が個人情報保護士と報道されたこともあるほどです。課長職以上で個人情報保護士を各部に配置し、個人情報の適切な管理に努めています。

2018年5月のGDPRの施行(EU圏)、2020年6月の改正個人情報保護法の成立(国内)など、個人情報保護に関する気運は世界的に見ても、高まる一方です。今後、個人情報保護士の重要性はより増していくと考えられます。

2. 情報管理にまつわる主な資格

個人情報管理に関する資格はほかにも存在します。ここでは主な関連資格を紹介します。

2.1. 情報セキュリティ管理士

情報セキュリティ管理士は、個人情報保護士と同様に一般財団法人「全日本情報学習振興協会」によって認定される資格です。「なぜ情報セキュリティが必要なのか」「実際にどのような情報流出事故が起こっているのか」「防ぐために実務上で気をつけるべきポイントは」など、社員一人ひとりが理解するべき個人情報管理に関する知識が広く問われます。

2.2. 上級個人情報保護士

個人情報保護士の上位資格が「上級個人情報保護士」です。個人情報保護士向けの指定講習へ参加し、レポート審査を通過した人のみが認定されます。指定講習では、法律部分のより深い理解と実践力の向上が求められます。単純に条文を理解するだけではなく、ビジネスシーンに応じて適切に知識を活用できる「個人情報保護のスペシャリスト」を目指した資格です。

2.3. 一般社団法人日本プライバシー認証機構(JPAC)認定資格

「従業員の個人情報漏洩を防ぐために生まれた」のがJPACの認定資格です。役員向け(CPO)・管理者向け(CPP)・一般社員向け(CPA)の3種類が用意されており、それぞれの立場ごとに必要な個人情報保護の知識が問われます。

認定資格取得者数が約16,000人、利用企業数が約4,000社と国内最大級の規模を誇る情報管理の資格で、特にCPOは、キリンビールやNTTドコモなど大手企業で経営に携わる人々も取得しているため、本資格の有用性が伺えます。

3. 企業における個人情報保護士の役割

個人情報保護士をはじめとする情報管理に関する有資格者は、企業にどのような役割やメリットをもたらすのでしょうか。

3.1. 「個人情報保護に尽力している」と対外的にアピール

ベネッセやリクナビのように、個人情報の取り扱いを誤り社会問題に発展した事例にあり、個人情報保護の意識はいっそう高まっています。ユーザーはもちろん、企業同士も取り扱い方の確認が欠かせなくなっています。

社員に個人情報保護士などの資格取得を進めている、あるいは取得者に業務をおこなわせていると宣伝することで、「個人情報保護を意識している企業」であると対外的なアピールができます。それはユーザーや取引先企業からの信頼獲得につながるものであり、経営上のメリットにもなります。

3.2. 社員全体の個人情報保護意識を向上

対外的なアピールだけでなく社員全体、企業に所属するひとりひとりの意識を向上させることが大切です。

日立ソリューションズグループのように、各部署に個人情報保護士を配置するのが有効です。特に人事や労務のような個人情報を頻繁に取り扱う部署では、個人情報保護士の専門知識が大いに役立つでしょう。

3.3. 将来的に「個人情報保護のリーダー」になりえる

社員一人ひとりの啓発に加えて、多様化・厳密化する現在の個人情報保護に関するルールを順守するためには、専門知識を有する責任者の設置が必須だと考えられています。2020年8月に総務省と経済産業省により策定された「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0」でも、企業におけるプライバシー保護責任者の設置が必要だと明言されました。

日本企業も対象となるGDPR(EU一般データ保護規則)も、データ保護責任者(DPO)の設置を企業に求めています。2020年5月には、ヤフー株式会社がDPOを新設し話題となりました。

このような流れから、将来的な個人情報保護責任者の設置は、ほとんどの企業にとって避けて通れない問題だといえます。個人情報保護士としての経験も必要となるため、資格を取得後すぐに責任者となれるわけではありませんが、将来的なリーダーになりうる人材として期待できます。

4. まとめ

個人情報保護士は、個人情報保護に関する高度な知識を持ち、実務での管理・取り扱いをおこなえる専門家です。将来的には、個人情報保護のリーダーとして企業に必要な存在となります。

個人情報保護法の改正やGDPRの施行に代表されるように、個人情報を保護する意識が高まる傾向にあります。個人情報管理に関する有資格者の雇い入れは、今後ますます欠かせないものとなっていくことでしょう。

パーソナルデータの取扱いにお悩みの方に

  • 海外ツールは同意取得バナーがごちゃごちゃしていてわかりにくい…
  • 誰にどこまで同意を取ったか管理するのが大変…
  • ツールを導入するたびに手作業で全部同意を取り直すのは面倒…
  • 同意は管理できても他社システムを上手く連携して使えないと…

Trust 360で、すべて解決!