【図解】Google広告「カスタマーマッチ」とは? 活用方法と注意点を解説!
Google広告には、自社が保有する顧客情報を活用して広告配信を行う「カスタマーマッチ」という手法があります。 カスタマーマッチを利用することで、より精度の高いターゲティングができ、効果的なアプローチが可能になります。
大手プラットフォーマーによる3rd Party Cookieの制限でターゲティングが難しくなっていく中、自社が保有している個人データを活用した広告配信が、今後より重要になっていきます。
本記事では、Google広告で活用できるカスタマーマッチの活用方法と利用する際の注意点についてご紹介します。
1. カスタマーマッチとは
1-1. カスタマーマッチの概要
Googleカスタマーマッチとは、Google 広告のターゲティング機能のひとつです。自社が保有する個人データ(顧客情報)に基づきユーザリストを作成し、検索やGmail、Youtubeなどを利用するユーザーに広告配信を行う手法です。
カスタマーマッチを利用すれば、既存顧客へ再アプローチしたり、類似のユーザーに広告を配信することができます。一方で、ユーザーリストから除外することで、既存顧客への広告配信を避けることも可能です。このようにカスタマーマッチは、自社が配信するGoogle広告の効果を向上させます。
Google広告による公式説明は以下の通りです。
カスタマーマッチでは、オンラインやオフラインのデータを使用して、検索、[ショッピング] タブ、Gmail、YouTube、ディスプレイ広告を利用しているユーザーにリーチしたり、再アプローチしたりすることが可能です。さらに、顧客から提供された情報を活用して、情報を提供した顧客や類似顧客を広告のターゲットに設定できます。
カスタマーマッチは、ブランド認知度やコンバージョンの促進など、さまざまな用途で活用できます。 引用:Google広告ヘルプ カスタマーマッチについて
1-2. Facebookカスタムオーディエンス、Twitterテイラーオーディエンスとの比較
Google広告のカスタマーマッチと似たような仕組みとして、「Facebookカスタムオーディエンス」「Twitterテイラーオーディエンス」があります。これらも同じように自社が保有するメールアドレスや電話番号などの個人データを使い、Facebook(Instagram)、Twitter利用者の中から広告を届けたいユーザーを見つけ出してリーチする手法です。
ちなみに、3社(Google、Facebook、Twitter)各広告サービスにおけるマッチ率の比較では、Google広告でのメールアドレスのマッチ率が50.4%で最も高いことが判明しています。
そもそもGoogle利用者の母数が多いことに加え、しかもマッチ率が高いため、Google広告のカスタマーマッチはその他の類似手法と比べ、効果の高い手法であることがわかります。
出典:WorldStream by LOCALiQ : New AdWords Customer Match Beats Out Facebook Custom Audience Match Rate
画像引用元:WordStream
1-3. 【図解】カスタマーマッチの仕組み
ここではカスタマーマッチの仕組みを解説していきます。
はじめに、自社が保有する個人データとGoogleが保有する個人データ(Googleアカウント)を照合します。 例えば、次のような個人データをGoogle広告アカウント上にアップロードします。
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 姓名
- 居住国
カスタマーマッチでのマッチングには、これらの個人データを最低でも1,000件以上アップロードする必要があります。
そして、マッチしたリストに対してターゲットに応じて(あるいは既存顧客を除外して)、以下5つの配信面で広告を配信できます。
- 検索広告
- ショッピング広告
- Gmail広告
- YouTube広告
- ディスプレイ広告
マッチしたリストから配信対象(=ターゲティング)を設定すると、対象となったユーザーがGoogleアカウントにログインした状態でこれらの配信面を閲覧した場合に広告が表示されるのがカスタマーマッチの仕組みです。
利用に際しての大まかな流れは以下の通りです。
画像引用元:Google広告ヘルプ カスタマーマッチの基本
2. 効果的なカスタマーマッチの活用方法
2-1. Google検索広告
Google検索広告では、カスタマーマッチによって作成されたリストのユーザーが特定の検索行動をとった際に、キーワードの入札や入札単価の調整を行えます。
その一例として、それぞれ既存顧客と潜在顧客に対して、個別最適化された(パーソナライズド)広告を配信することができます。具体的には、潜在顧客に対しては「資料請求」や「無料お試し」などの広告を配信でき、既存顧客に対してはWebサイトへ誘導したり、再購入を促す広告を配信するということが可能です。
2-2. Googleショッピング広告
Googleショッピング広告も検索広告と同様、リストのユーザーに対して、キーワードの入札や入札単価の調整を行えます。
例えば、顧客が特定のキーワードを検索した際に、既存顧客を対象に入札が強化できます。これを活用することで、より高額な商品や関連商品の購入を促すことができます。
2-3. Gmail広告
Gmail広告では、カスタマーマッチで連携したリストから、ユーザーのGmail受信トレイに対して広告を配信することが可能です。自社既存顧客の類似ユーザーにも広告配信を行えるため、効率的な新規客獲得も期待できます。
2-4. YouTube広告
YouTube広告は、連携したリストのユーザーと自社顧客の類似ユーザーに対して、YouTube閲覧時にTrueView広告を配信できます。
動画広告としての長所を活かし、自社プロダクトやサービスを購入・利用したユーザーとその類似ユーザーに広告を配信することで、例えば新商品などのブランド認知度やコンバージョンの促進に効果的です。
3. カスタマーマッチを利用する際の注意点
3-1. 利用には一定の条件を満たさなければならない
カスタマーマッチを利用するには、Google広告アカウントがいくつかの条件を満たしている必要があります(下記は2022年11月時点での条件)。
- これまでポリシーを遵守してきた実績があること
- これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
- 90日以上の Google 広告のご利用実績があること
- ご利用金額が全期間で5万米ドル*を超えていること
*2022年11月時点のレートで約730万円
上記の条件を満たし、Googleのアカウント担当者にリクエストする必要があります。
ただし、公式に記されている「アカウントの基準」を満たしていないアカウントでも、一部利用可能になっているケースもあるようです。
詳細な利用条件については以下最新の公式説明をご参照いただき、Googleアカウント担当にお問合せください。
3-2. 個人情報保護法への十分な対応を
自社が保有する個人データ(顧客情報)を使用するため、個人情報の扱いを慎重に行わなければなりません。カスタマーマッチは、個人データの第三者提供に該当するため、本人同意を取得したデータ以外は利用することができません。
また、以下についてプライバシーポリシーなどにあらかじめ記載する必要があります。
- 電話番号やメールアドレス等の個人情報が第三者提供される旨
- 提供先についての情報
(例:「Google等の広告配信プラットフォーム」などの文言)
参考:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A Q.7-41
また、Google広告を運営するGoogle社は海外法人であるため、「外国にある第三者への提供」に該当し、別途記載事項があります。
カスタマーマッチにまつわる個人情報保護法の対応についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「【要対応】カスタマーマッチの利用は"個人データの第三者提供"!個人情報保護法上必要な対応を解説」
4. まとめ
Googleカスタマーマッチとは、自社が保有する個人データ(顧客情報)に基づきユーザリストを作成し、ターゲットに応じて広告配信を行える機能です。
カスタマーマッチは、利用条件の充足や個人情報保護法への対応などが必要ですが、正しく利用すれば精度の高いターゲティング手法として大変有効です。
個人情報保護法で定められた事業者の義務は広範囲にわたります。自社のみでの対策が難しい場合には、弊社のコンサルティングサービスのご活用もご検討ください。
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公開日:2022年12月6日
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