DXの推進にはデータ活用が不可欠?DXの具体例や注意点を解説

データ管理・活用 2021.01.25
DXの推進にはデータ活用が不可欠?DXの具体例や注意点を解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が叫ばれる昨今、すでに取り組みをはじめている企業も多いでしょう。経済産業省が示すガイドラインでも、企業へのスピーディーなDX推進が求められています。しかし、その定義やデータ活用との関係性などを正確に理解できている方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、DXの定義とデータ活用との関係性、DXの具体例や注意点について説明します。

1. DXの推進にはデータの活用が不可欠

経済産業省が公表するDX推進ガイドラインでは、昨今のビジネスシーンに対して以下のような言及がなされています。

゛あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。"

引用:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0

内容を分解すると、以下の3つのポイントを抽出できます。

  • 新たなデジタル技術によりビジネスモデルの創出が起こっている
  • 各企業も競争力維持のためビジネスモデルの変革・強化が必要
  • ビジネス強化のためDXをスピーディーに進めることが求められている

経済産業省の資料において、DXは「データとデジタル技術の活用によっておこなわれるもの」だと記述されているため、DX推進にはデータとデータを扱うためのデジタル技術が不可欠だといえます。

ただし、上記の情報だけでは、DXが具体的にどのようなものかイメージできません。DXとは何を指すのでしょうか。

2. デジタイゼーション・デジタライゼーション・DXの違い

DXについて語られるとき、同時に登場するのが「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」といった言葉です。いずれも「デジタル化」の意味を持つ用語ですが、ビジネスにおいては以下のような意味合いを持ちます。

  • デジタイゼーション:ビジネスの局所的なデジタル化
  • デジタライゼーション:ビジネスモデル全体のデジタル化
  • DX:デジタル技術による新たなビジネスモデルの創出

まずデジタイゼーションは、今までアナログでおこなってきた業務のデジタル化だと認識してよいでしょう。紙で保管していた書類を電子化しペーパーレス化を進めることはデジタイゼーションといえます。

次にデジタライゼーションは、局所的なデジタル化にとどまらないビジネスモデル全体のデジタル化です。業務フローの一部ではなく、一連の業務をすべてデジタル化することです。

そしてDXは、既存のビジネスをデジタル化するだけでなく、データ活用を通じて顧客へ新たな価値を提供することです。そのため、DXはデジタイゼーションやデジタライゼーションの「次の段階」として語られることも多く、まずは既存のビジネスをデジタル化するよう提言される場面もあります。

また、デジタイゼーションやデジタライゼーションに比べて、DXは抽象的な概念です。今一度DXのイメージを確認するため、ここでは国内アパレル企業のZOZOを例に挙げてDXを解説していきます。

3. ZOZOによるアパレル業界におけるDXの一例

ZOZO(旧:スタートトゥデイ)は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」や、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」などのサービスを展開する企業です。

ZOZOは、衣服に付いたケアラベル(取り扱い表示記号)を自動生成する仕組みを作り、ケアラベルのレイアウトを作成するデザイナーの負担を軽減させました。QRコードとスマートフォンアプリを活用して、製造ラインの進捗状況を可視化するなど、アパレル業界が抱えていたビジネス上の課題をデジタル技術の活用によって次々に解決しています。

また、自ら体形を計測できる「ZOZOSUIT」や足の形状を3Dで計測する「ZOZOMAT」などのサービスを開発し、顧客が自宅から出ることなく理想的なサイズの衣服を購入できるビジネスモデルを構築しました。

これら一連の施策により、ZOZOはビジネスの局所的・全体的なデジタル化にとどまらず、デジタル技術による新たなビジネスモデルの創出を実現しています。新たなサービスや顧客体験を生み出したこのケースは、日本国内におけるDXの好例の一つといえます。

4. データの取り扱いに求められる3つの意識

DX推進のデータ活用でしっかり成果を出すため以下の3つの意識が重要です。

  • データ管理
  • データ活用
  • データ保護

データ管理は、収集したデータを会社の資産として活用できるよう整理し、滞りなくデータの使用・追加・削除・更新をおこなえるよう規則を作ることを指します。単にストレージへデータを保存するだけではなく、データを活用するための土壌を整えることが重要です。

またDXでは、管理しているデータを有効活用し、データが持っている価値を引き出す意識が必要となります。収集したデータをグラフ化してレポートに起こしただけではデータを活用できているとはいえません。グラフ化したデータから「AよりBの商品配置の方が購入者は多い」といった傾向を読み取り、ビジネス的によりよい戦略を選ぶフェーズまで進めてこそ、初めてデータ活用ができたといえるのです。

さらに、DX推進にともない活用するデータのなかには個人に関するデータが含まれる場合も少なくないため、法律の遵守や顧客の信頼獲得といった観点から、データ保護に対する意識も重要となります。

これらのデータは、個人から取得した同意の範囲を超えて第三者に公開や提供すればプライバシーの侵害に該当する可能性があります。法律違反による罰則や訴訟につながるリスクがあるため、収集したデータは個人情報保護法に則って取り扱わなければなりません。

>>個人情報保護法記事についてはこちら

5. まとめ

政府によるDX推進の呼びかけもあり、徐々にその必要性が認知されてきました。今後はデジタイゼーションやデジタライゼーションに着手しつつDXを進める企業が増えるものと予想されます。

また、DXを推進する際にはデータの取り扱いにおける3つの意識が重要となり、いずれかの意識が欠けるとデータ活用は順当に進みません。まずは組織内でDXやデータ活用に対する認識を一致させ、一丸となって取り組みを始めましょう。それがDX実現の大きなカギとなります。