CMP(同意管理プラットフォーム)を徹底比較!国内外のCMPまとめ

CMPデータ管理・活用 2023.03.27
CMP(同意管理プラットフォーム)を徹底比較!国内外のCMPまとめ

世界的にプライバシー保護の潮流が高まるにつれ、各種プライバシー規制に対応するためのツールやサービスも次々と開発されています。

中でも、ユーザーからCookieや個人情報等の利用について許諾を取得するための「CMP(同意管理プラットフォーム)」には、かなり注目が集まっています。

本記事では、CMPの概要や選定のポイントから、代表的なCMPの特徴や料金までを一挙にご紹介いたします。ぜひ、CMPの比較検討にお役立てください。

1. CMP(同意管理プラットフォーム)とは?

CMPは、Conesent Management Platformの略で、同意管理プラットフォームと訳されます。

冒頭でも触れた通り、近年は世界的にプライバシー保護の潮流が高まっており、各国でさまざまなプライバシー関連法が成立・施行されています。

欧州で2018年に施行された法令「GDPR(EU一般データ保護規則)」は特に厳格な内容であり、Cookie自体が個人データと定義されています。そのため、Cookie利用の際にはユーザー本人からの許諾が求められます。

また、日本においても2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、Cookieは「個人関連情報」という新たな概念として位置付けられるようになりました。

個人関連情報には、個人情報には該当しない位置情報や属性データなどが分類されており、個人情報と紐付けて利用する場合には事前に同意の取得が求められるようになりました。

このような流れを受け、開発・提供され始めたのがCMPです。

CMPは、Webサイトにポップアップ等を表示し、ユーザーから個人情報や個人関連情報等の利用について許諾を取得・管理する仕組みのことを指します。

2. CMP選定時のポイント

現在CMPは、海外製・国内製含め複数のツールが提供されています。CMPの選定時には、以下のポイントを確認し、比較検討するようにしましょう。

  • どの法律に対応できるか
  • ゼロクッキーロードに対応しているか
  • 他社システムと連携が可能か
  • サポートが充実しているか

まず、対応法律の確認です。先述の通り法令により同意取得が求められるケースや対象が異なります。

例えばGDPRでは、Cookie自体が個人データと定義されているため、Cookieの利用に対しての同意取得が求められます。一方、日本の改正個人情報保護法では「個人関連情報と個人情報を紐づけて利用する場合」に同意取得が求められます。

このように、対応する法令の内容によりCMPに求められるシステム要件も異なるため、自社がどの法令に対応する必要があるのかを見極めた上で、自社に合ったCMPを選ぶようにしましょう。

この時、GDPRのようにCookie自体が個人データとされ同意取得が求められる法令に対応するのであれば、ゼロクッキーロードに対応しているかも確認しましょう。

※ゼロクッキーロードとは、ユーザーがCookieの利用について明確な意思表示をする前に、Cookieを利用するツールを一時的に停止する手法のことを指します。

次に、他社システムとの連携可否や、連携できるツールの確認も必要です。

CMPの導入の目的として、法令への対応がもちろん最優先かもしれませんが、法令に対応しながら今後のマーケティング施策へとつなげていくことも重要です。

そのためには、同意を取得したデータを連携させられるツールが充実しているかどうかや、現在使用しているツールがCMPの導入後も引き続き使えるかどうかが注目ポイントになります。CMPの比較段階で確認しておくようにしましょう。

他に、サポートが充実しているかどうかも重要な選定ポイントです。

CMPの導入には、法務や情報システムなどさまざまな専門領域の知見を必要とする上に、誤った設定をしてしまうとプライバシー保護の観点で大きな問題にもなりかねません。

そのため、導入設定から導入後までサポートが充実しているベンダーを選ぶのがおすすめです。また先に挙げたように、CMPとマーケティングは切っても切れない関係にあるため、Cookie等の技術的な知識やマーケティングに対する知見をもってサポート対応をしてくれるかどうかも検討材料の一つです。

CMPを導入せずに自社で同様のツールを開発することも不可能ではありませんが、定期的に改定される法令へのキャッチアップや機能開発等の手間を考えると、専門のツールを導入する方がスムーズかつ安心です。

3. 代表的な各社CMPの比較

ここからは、代表的なCMPの特徴や料金について、海外製・日本製に分けてご紹介いたします。まずは自社の条件に合ったCMPをピックアップし、その中で最終的な比較検討を行うのがおすすめです。

3-1. 海外製

Cookiebot


画像引用元:https://www.cookiebot.com/en/

Cookiebot(クッキーボット)は、デンマークにあるCybot社が提供するCMPです。世界的に利用されているCMPの一つで、50万以上のサイト導入実績があります。

制御の方式はCookie制御式で、GDPRやCCPAにも対応しており、46カ国語が利用できます。

Cookiebotの強みは、自動でサイトをスキャンしCookieバナーを生成できることであり、一度バナーを生成した後も定期的にスキャンが行われる仕様になっています。

最も安い有料プランは12ユーロで、日本円にして1,700円程度(2023年1月時点)で、無料トライアルも用意されています。

なお、Cookiebotは外部ツールとの連携はできません。

Sourcepoint


画像引用元:https://sourcepoint.com/

Sourcepointは、欧米を中心に拠点を置くグローバル企業で、CMP「Sourcepoint」を提供しています。

同社はCMPの提供を専業とする企業で、日本ではデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)が提携し、ライセンスの提供を行っています。

GDPRやCCPA/CPRAに対応しており、多言語対応も可能です。

制御方式はCookie制御で、Web以外にもアプリやAMP(Accelerated Mobile Pages)、CTV(Connected TV)等の環境にも対応していることが特徴です。

最低月額利用料は5万円〜となっています。

Ensighten


画像引用元:https://www.ensighten.jp/

Ensightenは、2009年にアメリカで設立されたサイバーセキュリティのリーダー企業であり、「Ensighten」は同社が提供するセキュリティサービスです。

Ensightenの一機能としてCookieのコンセントマネジメント機能を標準装備しており、CMPの役割を果たしています。

日本ではアンダーワークス株式会社が提携しており、Ensightenのライセンス販売、導入コンサルティング、導入設定及び運用サポートを行っています。

Ensightenの特徴は、Webサイト上でやりとりされているあらゆるタグを検出し、一元管理できることです。新しく実装されたタグを検知するとメールで通知が送信されるため、自社で利用しているタグの把握・管理が容易です。

日本航空、全日空、スズキなど国内大手企業の導入実績もあります。

制御方式はタグマネージャー式で、GDPRやCCPAに加え、タイのプライバシー保護法規制にも対応しています。多言語対応も可能です。

最低月額利用料は50万円〜とエンタープライズ向けの価格設定になっています。

Ensightenは外部ツールとの連携はできません。

OneTrust


画像引用元:https://www.onetrust.com/

onetrsutは、米国OneTrust社が提供する個人情報保護対応を効率化・自動化するためのソリューションです。同ソリューションでは複数のモジュールを提供していますが、その中に「Preference & Consent Management Solutions(同意管理ソリューション)」というモジュールがあり、クッキーの同意取得・管理を行うことができます。

Cookie制御方式のツールであり、世界で12,000社以上、75万以上のサイト導入実績を誇るCMPです。もちろん多言語にも対応しています。

Webサイトだけでなく、モバイルアプリやCTV(Connected TV)等にも対応していることが特徴で、主に海外ツールとの連携実績があります。

日本では複数社がパートナーとして提携しており、弊社Priv Techもそのうちの一社です。

最低月額利用料は4,800円〜で、リーズナブルであることも特徴です。

>>OneTrust導入についてのご質問やご相談はこちら

3-2. 日本製

webtru


画像引用元:https://webtru.io/

webtruは、Datasign株式会社が提供するCMPです。通信遮断方式のツールであり、GDPR、CCPA/CPRAに対応しています。

webtruの特徴は、Webサイトをスキャンし、自動生成されたタグをページに貼るだけの2ステップで導入ができることです。

フリー(0円/月)、ベーシック(6,600円/月〜)、プラス(13,200円/月〜)の3つのプランが用意されており、通信の呼び出し回数の上限によってプランが異なります。

GDPR対応は月額13,200円〜のプラス版のみとなっています。ベーシックとプラスでは多言語対応(文言変更)も可能です。

Trust 360 同意管理


画像引用元:https://privtech.co.jp/service/trust360/

Trust 360は、弊社Priv Tech株式会社が提供するCMPです。数少ない国産CMPの一つであり、国産唯一のタグマネージャー制御方式を採用しています。タグマネージャー制御方式は、他の制御方式と比較してマーケティングツールへの連携がスムーズなことが特徴です。

また、弊社はCMPの提供に加えて、各種法令に対応するためのプライバシーコンサルティングも行っています。そのため、「そもそも法令対応が必要なのか」「どの法令への対応が求められるのか」など前提条件の洗い出し部分からご支援することが可能です。

Trust 360の特徴は、パーソナルデータ利用の同意取得・管理からマーケティングツールへの連携までを一元して容易に実現できることです。

GDPRやCCPA/CPRAにも対応可能で、バナー表記の言語を個別に設定することも可能です。制御方式にタグマネージャーを採用しているため、ゼロクッキーロードにも対応しています。

大手企業をはじめとするさまざまな企業への導入実績があり、現在導入実績は累計120ライセンス、販売パートナーは30社を超えています。

日本企業であるため日本人によるサポートが充実しており、気軽に相談することができます。

最低月額利用料は5万円〜で、ボリュームディスカウントも可能ですので、詳細はお気軽にお問合せください。

>>Trust 360についてのお問合せはこちら

4. まとめ

本記事では、CMPの概要から選定のポイント、それぞれのCMPの特徴等についてご紹介しました。CMPの比較の際は、ぜひご活用ください。

また、そもそものCMP導入要否や、プライバシー対策に関する漠然としたお悩みなど、ご不明点があればお気軽に弊社へご相談ください。

公開日:2023年3月27日

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